ローターアクト

ローターアクトの繋がりが人生を豊かにする

2022-23年度に国際ロータリー第2750地区ローターアクト代表を務め、現在は外資IT企業に勤務しているウイルソンさんにお話を聞きました。

簡単な自己紹介をお願いいたします。ロータリーとの縁や入会の経緯なども教えて下さい。

現在は大手外資IT企業に勤めており、東京で仕事をしています。ロータリーでは、東京西ローターアクトクラブに属し、2022-23年度国際ロータリー第2750地区ローターアクト代表を務めました。両親は台湾国籍で、共に日本に留学経験があり、父親が日本で仕事をしていた関係で学校へ上がるまでは日本で育ち、その後台湾へ戻りました。母親が所属していた台北百合ロータリークラブ(現3482地区)がローターアクトクラブ(RAC)を立ち上げ時に、母がクラブのローターアクト委員長を務めており、私がローターアクトクラブの創立会長となりました。19歳の時です。台湾では、RYLAセミナーや青少年交換プログラム(ドイツ・短期交換)へ参加経験もあります。台北西RAC、東京西RAC、京都西RACの姉妹クラブ交流会が台北で行われたときに、司会を務めたご縁で、東京西RACを紹介してもらいました。その後、台湾の大同大学卒業後、兵役を経て、日本で就職することが決まり、東京西ローターアクトクラブに入会することとなりました。

ウイルソンさんは、ご両親ともロータリアン、学生の頃からローターアクトクラブ、RYLAプログラム、青少年交換プログラム等、ロータリーと深い縁のある人生を歩まれています。ウイルソンさんにとって、ローターアクトの活動の目的は何ですか。また2750地区のローターアクトクラブの特徴を教えて下さい。

私は、ローターアクトの活動の目的は、奉仕を通じた親睦にあると思っています。活動を通じて同世代の様々な人と仲良くなることができました。2750地区のローターアクトは、現在日本で2番目か3番目の会員数、昨年度は270名位の会員、(内、中央大学のアクターが約130名)、現在は約220名です。現在国内に18クラブあり、2クラブが休会中、平均会員数は約10名です。地区内に、PBGのクラブ(グアム、サイパン)が存在するのが大きな特徴で、海外との交流を意識して活動をしています。私が所属している東京西RAC以外にも海外とつながっているクラブがあります。東京オーキッド世田谷南RACは、過去にトルコ人の会員がいたことをきっかけに、トルコのクラブと姉妹クラブを締結し、品川RACもメキシコのクラブ他と繋がっています。私にとって、ローターアクトの世界的なネットワークはとても大きな魅力で、3年に1回開催されるインターローター(Interota、ローターアクトの国際大会)では台湾に、APRRC(Asia Pacific Region Rotaract Conference、アジア太平洋地域ローターアクト会議)には、京都、台湾、タイ、過去3回参加し、様々な国のローターアクターと繋がってきました。今年の秋には、韓国にて開催予定で、東京から多くの仲間と共に参加の予定です。

ローターアクトクラブの活動の紹介、地区代表を務めての思い出、エピソードを教えてください。

地区メインの活動の一つとしては、『アクトの日』があります。昨年度は9月10日に味の素スタジアムで、タグラグビー行いました。プレイで得点を競うだけではなく、アクトに関するクイズに答えてスコアとなるなど、楽しみながらアクトを学べるよう工夫しました。今年は、2580、2770、2790地区の4地区合同で、『アクトについて語ろう』というテーマのワークショップを行う予定です。地区代表をやろうと思ったきっかけは、ロータリーのプログラムで多くの先輩方にお世話になってきたので、その恩返しをしたいという強い想いからです。地区はクラブをサポートするということに注力し、自らが楽しんで活動をしているところを伝えるよう心掛け、クラブが困っている時には話をきいてアドバイスをし、組織をよくすることを考えて活動を行いました。2750地区は人数の少ないクラブも多く、ベテランが少ないので知識を深める機会が少なくリーダーの育成も必要であると感じています。代表時の一番の思い出は、PBGのローターアクト会員との直接の交流です。2年前、年次大会の実行委員長を務めた時から交流は始まっていましたが、昨年度はPBGが2750地区に所属して50周年イベントもあり、言葉や距離コロナ等により、難しかった対面での交流がようやく実現しました。PBGは東京と比較すると地域が狭く課題が明確になりやすく、ファンドレイジング活動が積極的に行われています。彼らから学ぶところも多く、これからも積極的に交流を続けていきたいです。

ローターアクトのこれからの展望や課題、ウイルソンさんの将来夢を教えてください。

国際ロータリー(RI)のルール変更により、ローターアクトの立ち位置が変わったことにより、ローターアクターは、現在『変化の真只中』にあります。変化は始まったばかりで、何をすればいいか不安に思っているアクター、変化に納得していないアクターも多くいます。自立して活動して欲しいとよく言われますが、スポンサークラブとの関係性がこれからどうなっていくのか、現在はRIが規則を変えただけで変化が身近には起こっていない状況です。スポンサークラブからの援助は今後どうなるのか、会費を上げて運営していくべきなのか、学生には学割を導入するのか等、検討を重ねていく必要があります。また、一方で、私は非公式な組織でありますが、現在、ローターアクトのパスト代表等の有志なローターアクターが集まるワールドワイドな会にも時々参加し、RIへ世界各地区ローターアクトの意見をまとめています。いずれは、RIの協議会でローターアクトメンバーが発言や投票ができるようになれればよいと思っています。日本のローターアクターは海外と繋がりある人が少ないので、世界へ繋がるネットワークを活かして、もっと積極的に国際交流をするべきであると感じています。

また、昨年度よりローターアクトクラブも各地区の規則下で、ロータリー財団の補助金の使用が可能となりました。私も地区補助金委員会のメンバーの一員としてその支援を行っています。昨年度は東京銀座RAC、東京昭島RAC、中央大学RACの3クラブが地区補助金を使って、ネパール小学校の支援、難病の子供達にバスツアー、タイの子供支援の奉仕活動を実現させました。今年度は6クラブが地区補助金申請を行い、私の所属する東京西RACでは、日本に住んでいる海外の方に東京の文化体験(浅草で飴細工の体験等)を支援する等、奉仕活動が拡がっています。

私は青少年交換での留学、台湾と日本でのローターアクトの活動を通じて、ロータリーの人々と多く知り合ったことで今の自分がいると思っています。今後の展望は、まだ漠然としていますが、果物の貿易関係で起業をして、後々はロータリークラブに入って皆様へ恩返しができればと思っています。


劉 韋岑(Wilson Liu)
1995年に台湾台北市生まれ、台湾大同大学電子情報工学科卒。現在は、東京世田谷区在住、外資IT企業に勤務

<RID3480>
2015-17年度 台北百合RAC 創立会長
<RID3482>
2017-18年度 地区RAクラブ奉仕委員会 委員長、地区RYLA実行委員会 委員
<RID2750>
2018-19年度 東京西RACへ移籍
2019-20年度 クラブ国際奉仕委員会 委員長
2020-21年度 地区RA年次大会実行委員会 副委員長、クラブ幹事
2021-22年度 地区RA年次大会実行委員会 委員長
2022-23年度 地区RA代表、クラブ副会長          
2023-24年度 直前地区RA代表、地区ロータリー財団委員会 補助金委員会 委員、地区日韓・日台特別委員会 委員

ロータリーファミリー支援委員会 委員長:鈴木 豪(東京八王子北RC)
インタビュアー:青柳 薫子(東京広尾RC)
Rotary Family Voice 編集長:杉浦 藤一郎(東京あけぼのRC)