ロータリー平和フェローシップ

平和構築と紛争解決で社会に貢献したい

2018-20年度ロータリー平和フェローシッププログラムに参加され、現在は、国際平和構築のため紛争解決の研究をされているガマラ エリザベスさんにお話を聞きました。

国際基督教大学の大学院博士課程に在籍し、どんなことをなさっていますか。

大きな枠組みでは、国際平和構築のため紛争解決に必要な要素や背景とその手段などを研究しています。平和とは、戦争ではない状態であり、人々が幸せに暮らすことだとして、国や地域、民族、宗教、歴史、地理、性別、主義、教育、環境、家庭、健康、その他個人的なことも含め、その定義、感じ方は実に様々で、それぞれが複雑に絡み合っています。紛争により緊張が高まる、もしくは戦闘が始まってしまった場合、それらを停止、解決させる方法や未然に防ぐためにすべきことなど、多角的に有益なアプローチを探っています。
また並行して、国際基督教大学平和研究所(PRI)研究助手、NPO日本国際平和構築協会メンバーとして活動しています。これまでOECD 原子力機関 (NEA) 放射線防護および原子力安全の人的側面部門フェロー、米国フルブライト奨学生IEランゲージセンター大学講師、非営利団体Generations of Legacies創設などを経験してきました。

もう少し経歴を聞かせてください。

南米ペルーのクスコという街で生まれ、6歳の時に両親と米国ユタ州に移住し、そのままユタ州ソルトレイクシティで小学校、中学、高校、大学、大学院まで過ごしました。小学生の時、授業の一環で揉め事解決委員になり、学校内での喧嘩や不満の仲裁をしたことで、誰かの役に立つ事の嬉しさを実感し、平和維持に興味を持つようになりました。このころから英語や生活習慣に慣れていない両親のため、地域コミュニティに参加したりしていました。
飛び級制度を使って18歳でユタ大学大学院の修士課程を修了し、その後、日本の文科省で実務経験を積んで、20歳で平和フェローシップとしてロータリークラブの皆さまと関わらせてもらっています。ユタを出てからは、日本の他にスペインやフランス、アジアの国々で活動する機会があり、2021年は核エネルギーに関する平和維持活動にも従事しました。核エネルギーと言っても技術的な分野ではなく、私の研究は、人や地域、社会との調和や共存を模索するものなので、その他諸問題と同じく人的側面から解決へ導く取り組みとなります。この分野では、福島と広島にも訪問し、現場の視察ほか語り部の方からお話を伺ってきました。心に響くお話を直接聞かせてもらい、不幸な歴史を繰り返してはならないと願いを強くしたことを覚えています。

これからの活動や将来などについて聞かせてください。

短期的には、今年、タイとパキスタンへ行って平和に関する国際会議で、ノーベル平和賞受賞者の東ティモール元大統領ホセ・ラモス・ホルタさんと対談の予定があります。パブリック・ディプロマシー(public diplomacy、PD)など勉強してきます。
将来は、世界の平和構築と紛争解決に寄与していきたいと思います。日本で博士課程を終えたら米国に戻り、これまでの経験や研究をいかして社会に貢献できる職につけるよう頑張るつもりです。米国第35代大統領ジョン・F・ケネディの演説に「平和はプロセスであり、問題を解決する方法(For peace is a process–a way of solving problems.)」「真の平和は、多くの国々によって、多くの試みの総和として作り出される(Genuine peace must be the product of many nations, the sum of many acts.)」という言葉があります。平和は、簡単ではなく、いろんなものが溶け込み、複雑で時間がかかるもの。人によって平和の捉え方が違うので、多角的に擦り合わせ、調整して進むものと考えます。それには、互いに理解し信頼できる、表面的でないネットワークを広げ、もっともっと世界中の多くの人々と繋がっていこうと思います。

ロータリークラブの会員と関わって感じたこと、後輩へメッセージなどあれば教えてください。

日本でも、海外でもロータリークラブの皆さまには、とても親切にしていただいています。とてもフレンドリーで、親身になってサポートしていただいて深く感謝しています。
私のルーツであるペルーのクスコやマチュピチュにもロータリークラブがありますし、マチュピチュ遺跡を発見したのはロータリーメンバーの方なんですよ。遺跡には、ロータリーマークも飾られてます。
ロータリー平和センターは世界に5カ所あり、それぞれに特徴を持っています。例えば、スウェーデンウプサラ大学だと、平和に関する数量的観点からアプローチを試みていますが、日本のICUでは哲学的だったり、ガンジーさんの教えだったり、質的観点に重きを置いています。違う視点から研究することで、各々が重要な役割を担っているのです。
ロータリーは、平和フェローシップを通じて、世界平和と開発の担い手となる人材を育て、平和推進者の世界的ネットワークを築いています。世界の津々浦々で、世の中のためになることをしています。今回の第2750地区のロータリーファミリー支援委員会の活動は正にロータリーの持つ各種教育支援プログラム卒業生の環を横軸で広げられる素晴らしい企画であり、“ロータリーファミリー”という言葉も自分にとっても非常に嬉しい表現であり、応援していきたいと思います。私も恩返しの出来る立場になって、未来に続く後輩の皆さんにお役に立ちたいと思っています。これからも多くの友人を作って、末永くロータリーのお付き合いをよろしくお願いいたします。



ガマラ エリザベス Elizabeth K. Gamarra
ロータリー平和フェロー

2018-20年度ロータリー平和フェロー
スポンサークラブ:東京大宮RC

1997年生まれ。米国ユタ州出身。2021年4月から現研究へ取り組み、国際基督教大学 International Relations (国際関係論)博士課程在学中。

ロータリーファミリー支援委員会 委員長:青柳 薫子(東京広尾RC)
インタビュアー:鈴木 豪(東京八王子北RC)
インタビュアー:柴宮 克彦(東京世田谷南RC)
Rotary Family Voice 編集長:根岸 大蔵(東京城西RC)
ロータリー平和フェローシップとは?
ロータリー平和フェローシップは平和と開発の分野における仕事の経験を有する人を対象としています。フェローは社会奉仕と国際奉仕に献身しながら、平和の実現をめざします。毎年、世界各地の名門大学にて修士号(年に50名まで)と専門能力開発修了証(年に40名まで)を取得するためのフェローシップ(奨学金)がロータリー財団から授与されます。
詳しくはこちら→

おすすめ