RYLA ロータリー青少年交換

自分がまだ知らないことが、世界中に広がっている

2001-02年度にロータリー青少年交換プログラムでハンガリー共和国に派遣、2007-08年度にRYLA(Rotary Youth Leadership Awards)に参加され、2014-15年度には国際ロータリー第2750地区で東京あけぼのロータリークラブを立ち上げ、現在は、株式会社ワイオーエイアフリカ代表取締役として、アフリカまたはアジアなどの新興国の市場に進出する日本企業のサポートをされている近藤修一さんにお話を伺いました。

現在の活動について教えてください。

株式会社ワイオーエイアフリカで代表取締役を務めています。アフリカまたはアジアなどの新興国の市場に進出を希望している日本企業のサポート、または、自社での貿易事業、JICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)など国の機関と連携した途上国向けの市場開拓のサポート業務などを主なサービスとしています。アフリカやアジアの市場に進出を希望している企業は中小企業が多く、商品の販路拡大のニーズがあります。現在、グローバル市場においてのアフリカは「最後のフロンティア」とも呼ばれ、この先、30〜40年にわたり市場の成長性が期待されている唯一の地域です。アフリカが「最後のフロンティア」となった理由は、世界の中で取り残されてしまった地域でることが挙げられると思います。治安の問題や宗教的な対立、政治的な不安定さなどが原因で世界の中でも開発が遅れてしまったのではないかと思います。アジアも市場が成長していますが、この先20年で成長が頭打ちになることが予測されています。また、アジアを中心に成長してきた製造業や繊維産業などが、比較的、人件費の安価なアフリカに移りつつあります。
アフリカへの進出において、日本企業は厳しい競争にさらされていますが、単純にモノを売るだけではなく、売り方の工夫などで活路が見出せるのではないかと考えています。具体的には、マイクロファイナンスや共同購入、サブスクリプションなどの販売モデルを導入することで販売競争力を高めることができます。

アフリカに興味を持たれた理由は何ですか?

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(GSAPS)に在籍していた頃から途上国関連のことには興味がありました。国際関係や開発に特化した大学院です。もちろん、これより前に遡れば、高校生の時にロータリー青少年交換プログラムでハンガリーに派遣されたことで、国際関係やマイノリティに関することに興味を持つようになったことも大きかったと思います。
大学院を卒業して最初に就職したのは海運会社だったのですが、その後、専門商社に転職し途上国のプロジェクトを扱う仕事をしたことがアフリカとの出会いのきっかけです。

青少年交換プログラムとRYLAに参加されましたが印象的な出来事を教えてください。

高校生の時に青少年交換プログラムでハンガリーに派遣された際は驚きの連続でした。突然異文化の中に放り込まれ、現地の学校に通い、ホストファミリーと生活をしましたが、今思えば、そのような中で、世界に家族や友人たちができたことが本当にすごいことだったと思います。大人になってからそのような経験をすることはとても困難なことだと思います。
また、高校時代に海外に一年間派遣されたことで一番大きかった意味は、自分自身がマイノリティを経験することができたということだと思っています。私はハンガリーの田舎の方の地域に派遣されたため、アジア人が全くいない環境でした。こういった、自分自身がマイノリティになる経験をしたことで、自分の知らない世界に目を向けることに興味を抱きました。自分自身がまだ知らない世界が、世界中に広がっているという意識が大事なのではないかと思います。これは、日本の中だけで生活しているとなかなか気づかないことだと思います。
また、この経験は将来に繋がらなかったとしても、一人一人がこのような経験をすることこそが本当に世界平和に繋がるのではないかと思っています。

ハンガリー到着時にホストファミリー、カウンセラーと。
国際RYLA参加時のグループメンバー(ロサンゼルス)

プログラム修了後もロータリーとの深い関わりを維持されています。これからはどのように関わっていきますか?

東京あけぼのロータリークラブの立ち上げや一般社団法人ROTEXの理事などロータリーのコミュニティやネットワークを作っていく立場として活動をしてきました。ただ、ロータリーに恩返しをしようという感覚ではなく、今までもこれからもロータリーをフル活用していこうと思っています。
もちろん、ロータリーに対しての感謝の気持ちもありますが、私が今までに得たものをいかに社会に還元できるかということを考えた時に、一人ではなく、ロータリーという仕組みをうまく利用して還元したほうが良いと思いました。このように考えるようになったきっかけは、仕事を始めてから世界中を出張していて、ありとあらゆる場所にロータリークラブがあることを実感したからです。
東京あけぼのロータリークラブの立ち上げから7年が経ちました。また、仕事で海外に出張に出向いた際にはできる限り地元のロータリークラブにメークアップするようにしていまので、そのような中から、また何か新しいものが生まれると良いと思っています。

東京あけぼのRC認証状伝達式
ガーナのロータリークラブにメーキャップ
ブルキナファソのロータリアンとバナー交換


 

近藤 修一 Shuichi Kondo
2001-02年度 青少年交換学生
スポンサークラブ:東京池袋西ロータリークラブ

1984年東京都生まれ。高校在学中にロータリー青少年交換プログラムにてハンガリーに留学(スポンサーRC:東京池袋西RC)。大学在学中にハンガリー政府奨学金を得て、ハンガリーに再度1年間留学。学習院大学法学部卒業。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修了。外資系海運会社、専門商社を経て、(株)ワイオーエイアフリカを設立、現在に至る。東京あけぼのロータリークラブ創立会長。

インタビュアー / Rotary Family Voice 編集長:根岸 大蔵(東京城西RC)
ロータリーファミリー支援委員会 委員長:青柳 薫子(東京広尾RC)
ロータリー青少年交換プログラムとは?
世界100カ国以上で実施されているロータリー青少年交換は、ロータリークラブによる支援の下、15~19歳の学生が海外に滞在し、言語や文化を学びながら、海外に友人をつくり、世界市民としての自覚を養うことのできるプログラムです。
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