ロータリー米山記念奨学金

トルコと日本、国際交流を通じて両国の架け橋に

元気よく話す様子と人懐っこい笑顔が印象に残る好青年。宗教的に口にできない物もありますが、お刺身が好物で納豆も食べるそうで、身も心も日本に馴染んでいて、インタビュー中も古くからの友人と楽しく過ごしているかの様でした。
良い出会い、人間関係の広がり、ロータリークラブの良い面をあらためて実感させていただけました。今後の取り組みにも、何かと前向きになれる気がします。

現在の日本での活動について教えてください。

現在は、日本の大手食品メーカーの研究部門に勤めています。この研究部門では、トルコ人どころか外国人の受入れも初めてらしく、会社も同僚の方も文化や宗教の違う私に対して、うまく溶け込めるよう様々な配慮とコミュニケーションをとってくれている最中です。私も、一日でも早く会社に貢献できるよう努めています。
7月からは、東京オーキッド世田谷南ローターアクトクラブの会長も務めることになっています。東京オーキッド世田谷南ローターアクトクラブに入会したきっかけは、米山記念奨学生の学友会のイベントに参加した時に誘われたのがきっかけです。東京オーキッド世田谷南ローターアクトクラブは2750地区のローターアクトクラブの中でも国際色豊かなローターアクトクラブです。ロータリーの中には様々な組織があるのですが、それぞれの組織の間での交流が少ないのではないかと思い、私が会長の年度では、米山記念奨学生の学友会とローターアクトクラブが交流できるような機会を作りたいと思っています。

日本へ来ることになったきっかけは何だったのでしょうか?

高校生までトルコで普通に暮らしていました。日本に来ることになったのは、その高校にあった生物部での活動がきっかけです。生物部では、生物学オリンピックという国際大会への出場を目指していました。私自身は、惜しくもトルコ代表には届かなかったのですが、その時の経験が人生に大きな影響を与えてくれました。
生物学をより深く学ぶため、大学からは留学しようと決意しました。アメリカ、ヨーロッパ、日本を候補に、奨学金のもらいやすさや学術的なレベルの高さ、治安など考慮し、最終的に日本のとなりました。トルコは親日国で、家族を説得しやすかったのも一因です。

高校時代。生物部での様子。

来日して12年、日本語がとても堪能ですね。

2009年に18歳で来日し、1年半日本語学校へ通いました。その時は全く日本語を話せませんでした。その後、東京農業大学での4年間で、言葉も生活習慣も、人との出会いも、多くのことを身につけ学ばせてもらいました。米山奨学生となり、東京城西RCの方々とご縁が出来たのもこの頃です。東京城西RCの石原先生のご紹介で、東京医科歯科大学の教授とも交流をさせていただき、生物学の分野に一層の興味、探求心が芽生えたのも思い出です。東京農業大学卒業の時、ありがたいことに東京医科歯科大学へ進学することができ、さらに勉強するチャンスに恵まれました。このことは言葉にならないくらい嬉しく、心より感謝してもしきれないほど感謝しています。東京医科歯科大学では博士課程まで6年間、おかげさまで計10年も日本の大学でお世話になりました。なので少しトルコ語を忘れてしまっています。(笑)

東京医科歯科大学修士課程。分子細胞遺伝研究室に所属。

ロータリーと関わって感じたこと、後輩へメッセージ。

ロータリアンに限らず日本の方々は、親切で紳士的ですし、何より信用できると思います。奨学生プログラムによる交流で、人生において大切なものをたくさん教えていただけました。重ねてお礼申し上げます。
留学生の皆さんは、日本人と友達になるのは難しいと思いますが、外国人同士のコミュニティだけに閉じこもらず、ぜひ積極的に日本社会に飛び込んでください。遠慮しないで、文化や言葉、宗教、心の壁も乗り越えてください。きっと明るい未来がありますよ。

2013-14年度米山奨学生研修旅行で広島を訪れた際の様子。

ご自身の将来の展望について教えてください。

トルコは親日国ですが、まだまだ日本の皆さんに知られていません。東京城西RCが支援されていた日本中東学生会議の日本人を2回トルコへお連れした事があります。でも、もっと身近な国になれるよう、両国の人々の架け橋になりたいです。将来も引き続き日本で暮らし、自分の研究を含め、広く社会に貢献するため頑張っていきます。
ローターアクトでも、学友会など組織間の交流を発展させたいと思っています。せっかく縁があって出会えた人達、仲良くなれる機会をどんどん作って輪(和)を広げていきます。人と人、国と国、大きなネットワークを構築したいです。

東京オーキッド世田谷南ローターアクトクラブでの様子。

 

アクデミル ブラク Akdemir Burak
2014-15年度 米山記念奨学生
スポンサークラブ:東京城西RC

トルコ/イスタンブール出身。東京農業大学を経て、東京医科歯科大学修士課程、東京医科歯科大学博士課程を修了。現在は、日本国内の大手食品メーカー研究所に研究職員として勤務している。2013-14年度米山記念奨学生、2021-22年度東京オーキッド世田谷南ローターアクトクラブ会長。

インタビュアー:鈴木 豪(東京八王子北RC)
ロータリーファミリー支援委員会 委員長:青柳 薫子(東京広尾RC)
Rotary Family Voice 編集長:根岸 大蔵(東京城西RC)
ロータリー米山記念奨学会とは
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会は、勉学・研究のために日本に在留している私費外国人留学生に対し、日本全国のロータリアンからの寄付金を財源に奨学金を支給し支援する、民間の奨学財団です。
詳しくはこちら→

ローターアクトクラブとは
ローターアクトクラブは、18歳以上の人びとが集まって、地域社会のリーダーと意見交換したり、リーダーシップと専門的なスキルを育みながら、楽しく奉仕活動を行います。
ロータリーとローターアクトの会員は、世界各地で奉仕を通じて共に行動しています。大都市から僻村まで、ローターアクトはさまざまな地域社会で変化をもたらしています。
世界中で180の国に、10,698個のローターアクトクラブがあり、203,298人のローターアクター(ローターアクトクラブの会員)がいます。
詳しくはこちら→

おすすめ